これは”真実の物語”である。
ホテル・ルワンダ HOTEL RWANDA
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PRODUCTION NOTES
プロジェクトの始まり
テリー・ジョージにポール・ルセサバギナの話を紹介したのは共同で脚本を担当したケア・ピアソンだった。すぐにこれが自分のやりたい話だと気づいたジョージはベルギーに飛び、ポールに会って、彼の人生――どういう経緯でホテルマンになったか、サベナ社の様々なホテルの中でどうやって地位を上げていったのか、そしてどういういきさつでキガリのミル・コリンに来ることになったのか――について話を聞く。そして03年1月、ジョージは脚本のリサーチをするためとルワンダを知るために現地に飛んだ。ジョージはこの旅に、大虐殺以来初めて祖国に戻るポールを同伴していた。滞在中、彼らはさまざまな場所を訪れ、撮影し、当時ミル・コリンに避難していたオデット・ニャイラミリモと彼女の夫ジャン=バチスト・ガサシラ、そしてポールの親族を含む多くの人たちに会った。「ポールとルワンダを旅してちょっとした優越感を味わえた」とジョージは言う。「人々が彼に対して抱いている愛情や賞賛の気持ちを感じることができた。ミル・コリンに再び足を踏み入れたとき、ポールがかくまったコックや掃除係など、多くの人たちに会った。彼らの目には本物の歓喜が宿っていたよ。」しかし、ルワンダ南部Marambiにあるかつて工科大学だった場所を訪問した時の体験は何をもっても予測することのできないものだった。「94年4月の4日間で虐殺された4万人の遺骨で埋め尽くされている部屋をいくつも通った。その時のたった一人の生存者から当時の話を聞いて、私の人生においてこの映画を作るより重要なことはないとはっきり確信した。」
映画化にあたって
映画化にあたりジョージとピアソンが重要視したのは、この作品をドキュメンタリーのように構築するのではなく、ポールの人生に起きた出来事や事実を情感的に抽出することにより、観客に、当時ホテルで起こったことを当事者の視点で密に感じてもらうことだった。そしてもう1つ、大虐殺自体の恐怖にはあえて焦点を当てないということ。「虐殺中のキガリの街をあえて映すときは、シュールで現実離れした雰囲気を作り、現場に近寄らずとも心理的恐怖を感じられるようにした」と製作者のホーは語る。「これは力強いヒューマンドラマであり、ホラー作品ではない。そしてこの映画をできる限り多くの観客に見てもらうことが大切だと信じている。」
テリー・ジョージが語るキャスティング
「この企画が持ち上がった時、私の頭にまっさきに浮かんだのがドン・チードルだった。実際に仕事をしてみて、彼なしではこの作品が成り立たなかったと感じたよ。ドンはシーンごとに2、3パターン演じてみせてくれるんだけど、そのどれもが完璧なんだ。彼はセットに一番乗りして、私たちに投げつけられたカーブボールをすべて処理してしまう。それも常に笑顔でね。タチアナを選ぶのは難しかったけど、ホーと『堕天使のパスポート』のソフィー・オコネドーを観たとたん、彼女が役にぴったりはまってしまった。ソフィーとドンなら、愛し合っているポールとタチアナの間に必要な雰囲気を醸し出せると確信できたんだ。ニック・ノルティはハリウッドでも指折りの性格俳優で、スクリーン上でもすごい存在感がある。だから彼が我々のチームの一員になってくれると知って嬉しかったよ。ホアキン・フェニックスは、世界で最も素晴らしい俳優の一人だと思うけど、演じる役柄に完全に同化できるんだ。どういう演技をするかは予想がつかないけど、人をとりこにしてしまうことは間違いない。これだけのキャストが揃ったのは本当に幸運だった。私たちが出演を打診した人すべてがこの映画に心から参加したがってくれた。そして南アフリカに到着すると全員がチーム・プレイヤーとなり仕事に取り組んだよ。」(テリー・ジョージ談)
ルワンダを体験した人々
役のリサーチのために、数人のジャーナリストやカメラマンに会い彼らの体験談を聞いたフェニックス。それは壮絶な体験だった。「彼らの話を聞くのはつらかったし、彼らも話すのが大変だったと思うけど、その体験についてたくさん学ぶことができた。このカメラマンたちは30もの戦場を取材しているけれど、ルワンダの大虐殺のようなものは体験したことがないと言っていた。一人のカメラマンは、ルワンダのあと、何人もの友達の神経が参ってしまったと言っていた。そして彼はルワンダで見たり経験したことを僕に話している間に何度も泣いた。あるカメラマンが言っていた。“私が見たもののイメージは決して消えない”とね。」
オリバー大佐のモデル
ニック・ノルティが演じたオリバー大佐のキャラクターは、国連ルワンダ支援団の国連軍指揮官ロメオ・ダレール少将をはじめとする優秀なカナダ人将校数人を合体させてつくりあげられた。「それらの将校たちが気付いたように、オリバー大佐もすぐに自分の両手が国連や世界中の無情な官僚たちによって縛られていることに気付く。彼とポールの関係は、この国で何が起きているかを伝えようとする発信者なんだ」とノルティは演じた役柄について語る。役のリサーチのためにプリンストン大学に赴いたノルティは、チャンネル13の"FRONTLINE"、BBCの"PANORAMA"、カナダの"CBC"など大虐殺を取材したおびただしい数のテープを見つけた。その中でも彼が特に心を動かされ、衝撃も受けたのは、軍参謀と士官学校生に大虐殺について語っているダレール少将のテープだった、「彼はマチューテとスイカを使って、大虐殺での殺戮の残酷さを表現していたんだ。」
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